官邸、国民の知る権利を守るジャーナリストに対し、「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と言ってしまう。

官邸側からの東京新聞に対する嫌がらせは留まることを知らないようだ。

 菅義偉官房長官は20日の記者会見で、首相官邸が東京新聞記者の質問権を制限するような要請を官邸記者クラブに出しただけでなく、官邸側が東京新聞に「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と意味不明な要求していたことを明らかにした。

官邸側の対応について、田島泰彦・元上智大教授(メディア法)は

「権力が一方的な考え方を押しつけてきており、本末転倒だ。記者は市民が共有すべき事柄を、市民に成り代わって取材し伝えている。広い意味で、知る権利に応える国民の代表である」

と指摘した。

引用元

どうしてそうなった

東京新聞は、中日新聞社が発行する東京向けの地方新聞的位置付けであるが、東京新聞は政権側に批判的な論調の記事を書くことが多く、東京新聞の望月記者などは官邸で忖度なしの厳しい質問をぶつける事で名が知られている。

2017年の2月に発覚して以降、政府がウヤムヤにしている森友学園問題の公文書改ざん問題に関して、「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と東京新聞は2018年の6月の記者会見で聞いたところ、官邸側は、記者会見は官房長官に何かを要請できる場ではないとの主張を質問状を送る形で反発。

「記者は国民の代表として質問に臨んでいる。特に問題ない」などと回答すると、「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」と反論があった、という。

確かに国会議員は国民の代表であるが、国民の代表者として相応しい職務をこなしているかを確認する必要がある。しかしながら、仕事や勉学など、あらゆることに日々を追われているであろう国民にとって、政府や国会議員の仕事を一つ一つ全て追うのは原理的に不可能だ。そんな国民の代わりとなって、知る権利の代行を勤めているジャーナリストは立派な国民の代表者だ。民間企業であるのは、政府との距離を置き、中立な目線での報道を心がけるためなど、様々な理由があるだろう。

質問制限しようとする官邸。

先述のように、東京新聞は菅官房長官の定例記者会見内などでは唯一と言ってもいいほど、政府側に厳しい態度をとっているメディアであるため、官邸側は質問を遮ろうしたり、見解を問われているのに、担当部署へ聞くようになどの妨害や、はぐらかしとも言える行為を取っている。

東京新聞は20日付の朝刊で、今回の発端となった、2017年の秋以降、官邸側から寄せられた9件の文書を検証する記事を報道。「一部質問には事実の誤りがあったが、多くは受け入れがたい内容だった」としたうえで、表現の自由を制限しているなどと反論する見解を掲載しました。

同記事内で臼田信行・編集局長は、「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制だ」「記者会見は民主主義の根幹である国民の『知る権利』に応えるための重要な機会だ。だからこそ、権力が記者の質問を妨げたり規制したりすることなどあってはならない」などと訴えた。

東京新聞は19日の社説でも「事実誤認と考えるなら、会見の場で事実関係を提示し、否定すれば済むだけの話だ」「権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命だ」などと主張した。

たとえジャーナリストをうっとおしく感じていたとしても、国民の代表者ではないような態度を隠すことなく出したのは、日本が体質的に民主主義国家ではないことの証ではなかろうか。

菅氏は20日の会見で、検証記事に関し「個人的には違和感を覚えるところもある」と指摘。具体的に問われると「コメントは控えたいが、東京新聞側はよくお分かりになっているのではないか」と述べ、官邸側の対応に問題はないという態度をとっている。

 

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