大坂なおみ選手の出自は問題か?

『日本人が勝った』なのか

テニスの全豪オープン女子シングルスで優勝した日本の大坂なおみ選手は、WTAの1月28日付世界ランキングで1位になった。これは日本のみならずアジア勢で初の快挙だが、日本の一部では、彼女の父親がハイチ系アメリカ人であることやアメリカで育った期間が長いことなどから、彼女をあまり「日本人」とは見なしていない傾向がある。

ここには、日本社会のいわゆる「閉鎖的」な性格が表れているかも知れない。

しかし日本のスポーツでも、外国にルーツを持った選手が活躍してきた歴史はある。戦前の1936年のベルリンオリンピックでは、当時日本領だった韓国の孫基禎(そんきてい/ソンギジョン)が、日本代表としてマラソンで金メダルをとっているし、母がルーマニア人のハンマー投げ選手、室伏広治は、2004年のアテネオリンピックと、2011年の世界陸上で金メダルをとっている。

スポーツの祭典、オリンピックから垣間見るスポーツ精神

スポーツの国際大会で活躍する選手は、しばしば「国の代表」のように見なされるかも知れない。その意識が人々の関心をかきたてる効果もあるだろう。
しかしスポーツの試合とは、本来的には何よりもまず選手個人の闘いなのであって、国や民族は付加的な要素に過ぎないとも言える。

オリンピックの意義として「国威発揚」があげられることがあるが、実はオリンピック憲章では、「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と述べられており、国別のメダルランキング表の作成を禁じている。

大坂なおみ選手はオリンピックで闘ったわけではないが、スポーツの意義としては同じだ。民族や国籍を云々するより、まず何より選手個人の闘いとして楽しむのが、本来のスポーツの楽しみ方だ。東京五輪を控えた、ホスト役の日本にはオリンピック憲章の精神が求められるのではないだろうか。

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