Netfliexのドキュメンタリー映画『Netflix vs the World』が2019年公開予定

映像業界の異端児、Netflixのヒストリーを描くドキュメンタリー映画が制作

元々、オンラインのDVDレンタルサービス事業を展開していた小さなスタートアップ企業が、その後のレンタル業界に旋風を巻き起こし、ハリウッドが畏怖するほどの巨大な映像配信&制作企業となるまでの過程を描く。

その予告編「Netflix vs the World」がYoutubeにて現在公開されているが、配給元や公開時期はまだ未定だ。資金を自ら集めて制作しているジョン・コーゼン氏は、クラウドファンディングプラットフォームのKickstarterで制作の仕上げなどに活用する資金を募っている最中だ。

その経歴と沿革はまさに風雲児

創業当初オンラインDVDレンタルサービスから始まったNetflixは、20年間で映像ストリーミングサービスの分野にも進出し、独自の番組制作を行って世界に配信できる大企業にまで成長している。月額でレンタルし放題の定額プランや、従来のテレビやスクリーンでは出来ないレコメンドシステムを取り入れるなど、今では多く見られるが、当時としては斬新な形でサービスを提供した。

また、Netflixはストリーミングサービスをコアビジネスにしつつも、「ハウス・オブ・カーズ」などのオリジナルコンテンツ制作にも着手。ハリウッドやテレビ業界などから身を置き、独自路線を走るうちに多くの視聴者から支持されるようになる。同業他社はあとを追うように、同じようなビジネスモデルを模倣しつつも、従来の「映画やTV番組制作業界」に敷かれていたルールや仕組みを根本から急速に変えてしまったことで、業界に強い摩擦を生んでいる。

劇場公開&ストリーミング配信の合わせ技

映画界は劇場公開と同時にDVDの販売やレンタルを開始したりはしない。興行収入が大きな収益の柱だからだ。だが、Netflixは2014年に1200万ドル(約14億円)で配給権を購入した新作映画「Beasts of No Nation」を2015年10月16日に映画館で公開すると同時に自社のサービスサイトでも放映している。つまり、劇場公開とインターネットでの公開を同時に行っているのだ。

Netflixが手がける映画ビジネスの資金はそもそも「全世界で約6500万人の有料月額制動画配信サービス」が収入源となっていることから、コンテンツ事業部のTed Sarandos氏は「弊社のビジネスモデルに劇場公開による収益は含まれていません」と発言した。

従来の映画の仕組みは興行収入を前提に語られ、DisneyやFoxといった配給会社の予算配分やスポンサーの出資も興行収入が大きく見込めそうな作品に集中する。興行収入を一番の収入源とするウィンドウコントロール型の映画界との仕組みの違いが、ビジネススタイルに大きなルールの変革をもたらしている。

既存利権の仕組みが変われば、制作する映像現場の仕組みも変わる

Netflixの経営方針と映像制作方法によって、今後は特に製作費が少なく大きな集客を見込むことが難しいインディペンデント映画にも強い影響を与える可能性が生まれていくことになる。

現にNetflixは2017年時点で70話以上の大型エンターテインメント番組を制作した実績を持ち、ストリーミング業界のオリジナルコンテンツでは既存のテレビ業界やハリウッド、設備・人材ともに競合し、互いに火花を散らし合っている。さらにオリジナルコンテンツの制作や出演料などに支払った支出は、すでに2017年だけで60億ドル(約6636億4000万円)を超えており、この額はタイム・ワーナーの約2倍、HBO・FX・ショウタイムの約5倍に匹敵するほどの額である。

21st Century Foxで副社長を務めていたタラ・フリン氏が2016年9月にNetflixへの移籍を決定していたり、その後もNBCUniversal Television、ソニー、ウォルト・ディズニーなどの幹部クラスの人材がNetflixに次々と移動しているという点でも、既存の利権業界を次々と突き崩すような戦略を実行し続けている事が見て取れる。

現在ではAmazonやYoutubeですらも、Netflixと同じようなストリーミング戦略を展開してきていることからも、顧客獲得と現場の運用に「直接目を向けて」采配をふるい続けてきた所に、その成功の本質が現れているのだろう。

日本でも始まっている、クリエイター中心の制作環境

Netflix日本支社が設立されたのが2015年で、その歴史は淡いものの、既に日本のアニメ産業にも手を伸ばしている。放映権の獲得や独自アニメコンテンツ制作に多額の投資を行うなど、”Netflix手法”を日本アニメ業界でも遺憾無く発揮している。

閉塞感を感じている既存メディア業界や視聴者に、何らかの変革をもたらす事に今後期待が高まっていくだろう。

参考文献:https://gigazine.net/news/20181121-netflix-vs-the-world/

https://gigazine.net/news/20150902-netflix-strategy/

https://gigazine.net/news/20170328-netflix-eating-hollywood/

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