『FREE REFUGEES(難民を解放せよ)』東京入国管理局前に、不当拘束された難民解放を訴えるグラフィティアートが!

グラフィティが伝える人権侵害への訴え

東京入管管理局の公式ツイッターによると、11月19日早朝に、東京管理局から徒歩五分圏内の港南大橋歩道上にグラフィティアートが出現した。

2018年11月20日、東京入国管理局の公式Twitterが下記のツイートをした。記事を執筆中の21日1:00の段階で350に及ぶリプライがなされている。その大半がこのツイートに対して非難であった。

ストリートアートは、その土地の管理者もしくは施設所有者とは無縁の第三者が行うため、体制派からは”迷惑行為”や”落書き”を主な論拠にされてきた。しかし、社会的課題と向き合うことを訴えるアートは、人々に問題の認知や解決の促進という面で、とても意義深いことである。むしろこれをただの「落書き」だと片付けられてしまう人間の心自体が、問題であると言えるだろう。

一般に日本においてはあまり見られないストリートアートが、今回出現したことは、社会的意義のあることと強く訴えたい。これに併せ、今回のグラフィティが出現した原因である、入管管理局の悪しき体制についても解説しよう。

「FREE REFUGEES」「REFUGEES WELCOME」

ツイートの画像にある公共物に描かれたグラフィティが何を意味するのか。入国管理局というのは法務局の管轄であり、出入国の審査の業務、ビザのない外国人を施設に収容する業務などがある。「FREE REFUGEES(難民を解放せよ!)」「REFUGEES WELCOME(難民を歓迎する!)」とのグラフィティは収容施設に入れられた難民に対する入管による人権侵害のやめろと訴えているのだ。

image.png

上の画像の「入管施設での死亡事案の数」は国会でも取り上げられ、国会中継やSNS、ニュースサイトなどで目にした人が多いと思われる。13件中縊死(自殺)が6件、不明が1件、残りの6件は病死である。そもそも入管施設で死亡事案等はあってはならないはずが、たった11年の間に13件も発生してしまっている現状である。

6件の自殺事案に言及すれば、『自殺に追い詰められる環境』と、『自殺を試みたことに気が付きもせずに死なせてしまう管理体制』が問われる。病死の場合は適切な処置があっての病死であれば、仕方がない面もあると思われる。しかし入国管理局施設の、医学にも精通していない職員が仮病と判断し『治療を受けさせない体質』というのが問題視されている。不明に関してはもはや論外である。『自浄作用が正しく機能していない』、『隠ぺい体質』だと言われてもしょうがない。国内外の人権団体や国連から日本の入国管理局の人権侵害は度々非難されているものの、まったく是正されていないのが現状である。

今年に入りハーバービジネスオンラインにて、入国管理局の難民に対しての扱いに関して、戦場ジャーナリストの志葉玲氏の記事が数回に渡り掲載された。

国際法原則も人権も無視の東京入管の非道! 22歳のクルド難民女性が理由も示されず3か月以上拘束、収容所内で衰弱

パニック障害を抱える難民女性に対して、発作を抑える薬を与えない、渡すことも拒否する東京入国管理局。彼女は6歳の頃に難民として来日し、小中高を日本で卒業。難民認定をしない入国管理局に対して一か月ごとに毎月必ず仮放免手続きを行っていたのだが、2017年の11月末に突然、東京入国管理局に拘束されたのだ。難民弁護団が仮放免手続きを申し入れたが東京入国管理局は理由さえ告げることなく却下。一方で彼女がクルド人ということもあり、『迫害の恐れがある人を強制送還してはならないという国際法(ノン・ルフールマン原則)』に基づいてトルコへ強制送還もしない状態であった。(その後、解放せよとの署名が集まり、提出後一週間で仮放免となった)

集団暴力、無期限拘束……。あまりに酷い、入管収容所における外国人虐待の実態

 この記事では前述した入国管理局による被収容者の扱いについて言及している。入管事情に詳しい方によれば『被収容者が反抗的な言動をすれば、何人もの職員が体重をかけて床に抑えつけることが頻繁に行われており、アザだらけになる被収容者もいる』。他にもハンガーストライキを決行したため暴行を受けた元被収容者の中国人男性への供述や、術後に腹痛を訴えたが一ヶ月も放置され命の危機にさらされたクルド人男性の供述が載っている。

人権侵害や技能実習生の実態に触れず一方的に入管PR。入管による「プロパガンダ」に批判殺到

 国会でも被収容者について指摘をされ、SNSやネットニュース等でもその非人道的な扱いについて非難されていた2018年。なぜか10月になるとメディアで度々『入管密着』というようなTV番組が数回放映された。『食事と夜の時間以外自由』、『訪問診療を日替わりに行っている』などと入管側の一方的な主張を垂れ流している状態であり、国会の場で法務局が認めている事案(非難されている人権侵害)については全く触れてもいないプロパガンダ的な番組と騒がれた。
 日本人女性との結婚した難民男性が、結婚生活3年以上となるのに在留資格が与えられず、それどころか東京入国管理局は男性を拘束したのであった。犯罪歴はなく、妻となった日本人女性は妊娠中である。収容されてから二度も仮放免申請を行ったが、理由もなく却下されてしまっている。そして現在、三度目の仮放免申請中とのことだ。

入国管理局による人権侵害と変わらぬ体制

 志葉玲氏の記事が指摘している通り、入国管理局による難民申請者への人権侵害の数々は非難されて然るべきである。そもそも刑期が法律によって定められた犯罪とは違い、在日外国人が在留資格なしと判断され拘束された場合、拘束期間は定められておらず無期限とされている。さらに入国管理局は、その収容が妥当か評価をする第三者機関などが関与していない。そして先ほどの事例で分かる通り、仮放免申請を蹴る場合でも本人にも弁護士にも理由を提示することが義務付けられてないのだ。行き過ぎた言い方をするのであれば「監査の目がなくやりたい放題している機関」である。いや、現状を見る限りその表現は適切のようだ。だからこそ11年の間に13件もの死亡事案が発生してもなお、未だに入管の体制が変わらないのであろう。

まるで他人事の管理局

 そして今回、「FREE REFUGEES(難民を解放せよ!)」「REFUGEES WELCOME(難民を歓迎する!)」という公共物に描かれたグラフィティに対しても、自己批判すらせずに、「落書きは止めましょう」「少しひどくはないですか。。。」という、まるで入国管理局こそが被害者であるかのようなツイートしているのである。百歩譲って、もしこのメッセージが入国管理局の敷地内に描かれたものであれば、それは注意喚起としてツイートに正当性もみえよう。しかしグラフィティは東京入国管理局の敷地外であり、公共物の管理は管轄が異なる。公共物へ描かれた人権侵害をやめるように訴えるグラフィティの写真を撮り注意を促すツイートすることは、入国管理局の職務ではなく、ゆえにこのツイートに一切の正当性がない。グラフティに込められた強い訴えに応じることなく、管轄外にも関わらず呟かれたこのツイートこそが、外部からの批判を聞き入れない、自浄作用のない悪しき体制を入国管理局を如実に物語っている。

電話での質疑

 今回の東京入国管理局のツイートの件について、まずは法務省に電話で確認を取ったところ、『グラフィティへの注意喚起は入国管理局の職務』に当たるのかという質問に対し、明確に『違う』と答えた。だがツイートが適切であったかどうかについては言葉を濁されてしまった。
 東京入国管理局の応対した職員は関係各所と連絡を取り、『入国管理局の職務としてツイートをした』と、法務省とは反対の回答を頂くことになった。一方でグラフィティがあればどこに連絡をすればよいのかという質問には、『公安か警察』と回答。「管轄が違うのではないか?これからグラフィティを見つけ次第そちらに連絡を入れればいいのか、それとも入国管理局はグラフィティの内容が内容だけにツイートしたのか」と尋ねるが、電話での議論は埒が明かないと一方的に切られてしまった。10分後、再度電話をかけてみると数分ほど待たされた挙句に、電話受付に戻される。本日は電話が大変込み合っており、今担当部署で緊急会議が行われているとのことだった。(18.11.21 AM 9:30)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)